皇位継承シミュレーター(Ver 2.01)

天皇陛下のお世継ぎを決める皇位継承問題が話題になっています。天皇は今後も男性(男系)で継承できるのか?どうすれば安定して継承できるのか?を検討するシミュレーターです。指定の条件で皇位を30代(おおよそ千年)継承できる確率と、想定される系図の例を表示します。
解説と使い方
このシミュレーターでは、指定した「子供の数」と「皇族夫婦数」で男系天皇を30代継続できる確率を計算します。具体的にはモンテカルロ法を使い、子供の性別は乱数で決めつつ、30世代続く系図を5万回作ります。系図を作る過程で次世代の子供がすべて女子であれば継承が失敗したものとします。5万回系図を作った中で、30世代継承できた割合を継承成功率としています。兄弟間の継承は計算上の世代や期間には影響しないので代としては数えていません。なお、30世代・5万回の設定値は変えられます。※今後予告なく仕様を変更することがあります。特に各種の初期値を変える可能性は高いのでご注意ください。最大皇族夫婦数の設定がないVer1はこちら
使い方はこの動画でも解説しています。
皇位継承問題って何?という方は、この動画をご覧ください。

設定

子の数(1~10)
開始皇族夫婦数(1~100)
最大皇族夫婦数(1~100)
想定皇族総数
遠縁の上限(1~30)
詳細設定
男子の割合(%)
子を残す割合(%)
計算する世代(2~30)
計算パターン数(1~100(万回))
設定の解説
子の数
皇族夫婦が生む子供の数を指定します。小数点で指定できます(2.5なら1/2の確率で子供が2人か3人になります)。多いほど男子が生まれる確率が高まり、4人以上だとかなり安定して継承できます。この数は「子供を産める場合の子の数」であり、不妊などで子を持てないケースについては「子を残す割合」で別途設定してください。なお、既婚夫婦の平均出産数は今の日本では2人ですが、昭和初期だと4人でした(子を残す割合をかけた値)。側室制度(一夫多妻制)や代理母出産などを採用すれば多数の子を持ちやすいですが、現在の日本の価値観では国民の理解は得にくそうです。また、多くの子を産むことは皇族の方々にとって喜びであると同時にプレッシャーかもしれません。
開始皇族夫婦数
計算を開始するときの、初代の男系男子の皇族夫婦の数を指定します。現状に即する場合、悠仁様だけで開始するときは1 を、旧皇族を復帰させるときはその数に応じて2~5 程度を指定してください。
最大皇族夫婦数
同世代の男系男子の皇族夫婦の最大数を指定します。「開始皇族夫婦数」以上にしてください。同世代の皇族夫婦から多くの男子が生まれても、次世代の皇族夫婦はこの数以内に制限されます。現在の法律では基本的に男系男子は一生皇族ですが、皇族の人数が増えすぎないよう皇籍離脱していただくことも想定されており、それを考慮した数値となります。
想定皇族総数
「子の数」と「最大皇族夫婦数」から想定される皇族の総数です。多すぎると予算などの面で皇室の維持が難しくなります。概ね「2世代のご夫婦+若い世代の子供たち」と思われるので、
 皇族の総数=最大皇族夫婦数×(4 + 子の数 x 子を残す割合)
と計算しています。ある程度安定して継承できる、子の数が4 最大皇族夫婦数が5 子を残す割合92.1% の場合、この数は 38人となります。戦後の皇族数(15~25人)と比べるとやや多いですが、従来より多くないと安定した継承は難しいと言えそうです。
遠縁の上限
歴代天皇から近縁の男子のみ皇族にします。指定した数の世代を遡れば天皇または天皇の先祖にたどり着く場合に皇族になります。制限する場合、感覚的には3代程度、多くとも歴代で最も遡った(継体天皇)5代以下が望ましいと思います。制限しないときは「計算する世代」以上の数を設定してください。
男子の割合
生まれた子が男子である割合です。自然出産では統計的に男子が51.3%程度なので初期値にしています。この値は産み分け技術により高めることが可能です。「産み分け」で検索すると産み分け指導をしている病院の情報を得られますが、70~80%の確率で男子を産めるとのことです。産み分けをすることで、子供が少なくても男子の数を増やすことが可能です。しかし、皇族が男子ばかりになるのは問題でしょうし、皇族の方々にとって産み分けは心身ともに負担であると思います。なお、日本では規制されていますが着床前診断という方法を使うと100%男子を産み分けることが可能です。アメリカでは規制されていませんし、将来的には日本でも少子化対策を兼ねて解禁できるかもしれません(産み分けできるならもう一人産みたいと思う一般ご夫婦は少なくないと思います)。
子を残す割合
不慮の事故や不妊などがなく、子を残せる割合です。仮に90% とした場合、90%の確率で「子の数」だけ子を残し、残り10%の確率で子供が0となります。初期値は、
 男子の0~40歳の生存率98.6% × 女子の30~40歳の生存率99.6% × 子供のいる夫婦の割合93.8% = 92.1%
としています。子供がいないと離婚しやすかったり、逆にあえて子供なしを選択する夫婦もいるでしょうし、また、不妊治療をしている夫婦がより多いというデータもあり、妥当な値を決めるのが難しいです。今後初期値を変えるかもしれません。
計算する世代
何世代先までの系図を作るかを指定します。おおよそ千年の30世代を初期値にしています。少ない世代のほうが継承成功率は高まります。何世代に設定するかは2通りの考え方があると思います。1つ目は天皇の歴史の長さを考えて(神話時代を含めると2600年、実在が確実な天皇でも1600年)、長めにする考えです。この場合は切りのいいところで千年30代程度を目標にしたいです。2つ目は社会の価値観や科学技術の変化があることを念頭に、やや短い期間を確実につなげる考えです。たとえば100年後に制度を再検討る場合、余裕をもって5代(百数十年)先くらいまで確実に継承できることを目標としたいです。なお、前者の成功率を上げるには「子の数」が多いこと、後者の成功率を上げるには「開始皇族夫婦数」が多いことが重要になります。
計算パターン数
指定した条件で何回系図を作るかを指定します。回数を増やすと結果の誤差が小さくなりますが、計算時間が増えます。初期値の5万回の場合、成功率は経験的に最大±0.3%程度の誤差があります。本当は厳密な確率の計算式を見出せそうですが、私がそれを考えるより何万回も計算しちゃったほうが速いので、ご不便おかけしますがご了承ください。
― 初期値について ―
ブラウザでこのページをリロードすると、各種設定が初期値に戻ります。

継承成功率

30代継承成功率
継承成功時の最大遠縁(代)
確率情報
成功率の解説
30代継承成功率
男系天皇を30代継承できる確率です。どの程度の成功率を目標とすべきなのか私にも判断が難しいです。50%以上で十分かもしれませんし、国家の大事であるから99%以上を目指すべきかもしれません。なお、継承が失敗した場合も天皇が断絶するわけではなく、皇族以外の男系男子を天皇にお迎えすることで皇位は継承できます。
継承成功時の最大遡り数
系図を作ったときにもっとも先祖をさかのぼった世代数を横軸、5万回系図を作った時のその頻度を縦軸の棒グラフで示します。継承に成功した系図のみ対象にしています。左側の棒が長いほど近縁で継承できているので望ましい状態です。歴代最大は継体天皇の5世代ですが、感覚的には3世代以下のほうが望ましいでしょう。なお、初代の男系男子は便宜上兄弟として遡り数を計算します。「開始皇族夫婦数」が1のときは正しい数ですが、2以上を設定して旧皇族の方々の子孫が天皇になることを想定する場合、実際には20世代以上遡るので正しい数ではありません。
平均最大遠縁
系図を作ったときにもっとも先祖をさかのぼった世代数の平均です。継承に成功した系図のみ対象にしています。数字が1に近いほど近縁で継承できているので望ましい状態です。やはり、初代の男系男子は便宜上兄弟として遡り数を計算します。
息子継承率
系図を作ったときに(甥などの親戚でなく)息子が皇位を継承した割合です。継承に成功した系図のみ対象にしています。数字が大きいほど近縁で継承できているので望ましい状態です。

系図の例

表示系図パターン(1~100000)
直系以外は隠す
継承
系図の解説
表示系図パターン
5万個作った系図のうち、表示する系図のパターン番号を指定します。プログラム的には、この値をランダムシードとして系図を生成しています。
直系以外は隠す
チェックマークをつけると、天皇とその直系の先祖のみを表示します。
系図
濃い青が天皇、薄い青は天皇ではない男子皇族、緑色は天皇ではないが天皇の先祖である男子皇族、ピンク色が女子皇族です。図が左右に広がりすぎないように、長子を右からと左から、世代別に切り替えて配置しています。マウスホイールやピンチ操作で図を拡大できます。

考察

シミュレーション結果の考察
このシミュレーターを使い、いくつかのパターンで成功率を計算してみました。結論として男系での継承は可能ですが、何かしら困難が伴いそうです。
まずは初期値(最大皇族夫婦数5, 遠縁の上限5, 子を残す割合92.1, 計算する世代30, 計算パターン数5万)で男系及び女系のときの成功率を計算してみました。その結果を示します。
男系(男子の割合51.3%)のとき
「子の数」2~4人、「開始皇族夫婦数」1又は5のときの成功率のグラフです(悠仁様1人の場合と復帰旧皇族を合わせた5人の場合を想定)。子供が2人の場合は現在の日本国民の生活様式に近いのですが、成功率は1~2%と、継承は難しそうです。子供3人ではかなり成功率が高まりますが、安定して継承するにはすべての皇族が子供4人産む必要がありそうです(ただし、不妊などの場合は産まなくてよい)。また、開始皇族夫婦が1人でも5人でも極端な差はなく、子供の数が重要なことがわかります。
数値データ(悠仁様1人):子供2人/0.7%, 2.5人/11.4%, 3人/41.8%, 3.5人/63.7%, 4人/78%
数値データ(旧皇族含む5人):子供2人/1.8%, 2.5人/21.1%, 3人/60.8%, 3.5人/83.9%, 4人/95.1%
女系のとき
「男子の割合」を100%とすることで、女系天皇も認める場合の成功率をグラフにしました。「子の数」1~2人、「開始皇族夫婦数」3のときの成功率のグラフです(現在の若手皇族男女3人を想定)。子供が2人の場合の成功率は99.9%と、安定した継承が可能です(不妊などの場合は産まなくてよい)。ただし、子供が1.5人未満では成功率が下がっており、なるべく2人産んだほうが良いことがわかります。子供が1人に近い場合、皇族が増えにくい一方で、増えた皇族も何代か経つと遠縁となり民間人になってしまうため、成功率が下がるようです。
数値データ:子供1人/12.8%, 1.2人/37.6%, 1.4人/67.5%, 1.6人/89.2%, 1.8人/97.9%, 2人/99.9%
男系(遠縁の上限なし)のとき
次に、遠縁の皇族を大勢抱え、ときどき遠縁の天皇に切り替わってもよいケースを考えました。最大皇族夫婦数を10に増やし、遠縁の上限をなくしたうえで(30に設定)、「子の数」2~4人、「開始皇族夫婦数」1又は5のときの成功率のグラフです。開始皇族夫婦5の場合、子供が2.5人でも90%近い成功率です。このケースではそれほど多産でなくても男系を維持できると言えます。この場合は開始皇族夫婦数が多いほうが成功率が高くなります。
数値データ(悠仁様1人):子供2人/3.5%, 2.5人/38.5%, 3人/64.8%, 3.5人/74.6%, 4人/81.8%
数値データ(旧皇族含む5人):子供2人/16.0%, 2.5人/88.3%, 3人/99.4%, 3.5人/99.9%, 4人/100.0%
まとめ
上記の結果を見ると、安定して皇位を継承するには次のいずれかが必要になります。
 A. 皇族の方々が4人以上子供を産む
 B. 女系天皇を許容する
 C. 大勢の皇族を抱え、遠縁の天皇も許容する
いずれも困難がともないますが、憲法の定義するところでは天皇は日本に必要な存在です。なんとか継承してほしいものです。