シミュレーション結果の考察
このシミュレーターを使い、いくつかのパターンで成功率を計算してみました。結論として男系での継承は可能ですが、何かしら困難が伴いそうです。
まずは初期値(最大皇族夫婦数5, 遠縁の上限5, 子を残す割合92.1, 計算する世代30, 計算パターン数5万)で男系及び女系のときの成功率を計算してみました。その結果を示します。
男系(男子の割合51.3%)のとき
「子の数」2~4人、「開始皇族夫婦数」1又は5のときの成功率のグラフです(悠仁様1人の場合と復帰旧皇族を合わせた5人の場合を想定)。子供が2人の場合は現在の日本国民の生活様式に近いのですが、成功率は1~2%と、継承は難しそうです。子供3人ではかなり成功率が高まりますが、安定して継承するにはすべての皇族が子供4人産む必要がありそうです(ただし、不妊などの場合は産まなくてよい)。また、開始皇族夫婦が1人でも5人でも極端な差はなく、子供の数が重要なことがわかります。
数値データ(悠仁様1人):子供2人/0.7%, 2.5人/11.4%, 3人/41.8%, 3.5人/63.7%, 4人/78%
数値データ(旧皇族含む5人):子供2人/1.8%, 2.5人/21.1%, 3人/60.8%, 3.5人/83.9%, 4人/95.1%
女系のとき
「男子の割合」を100%とすることで、女系天皇も認める場合の成功率をグラフにしました。「子の数」1~2人、「開始皇族夫婦数」3のときの成功率のグラフです(現在の若手皇族男女3人を想定)。子供が2人の場合の成功率は99.9%と、安定した継承が可能です(不妊などの場合は産まなくてよい)。ただし、子供が1.5人未満では成功率が下がっており、なるべく2人産んだほうが良いことがわかります。子供が1人に近い場合、皇族が増えにくい一方で、増えた皇族も何代か経つと遠縁となり民間人になってしまうため、成功率が下がるようです。
数値データ:子供1人/12.8%, 1.2人/37.6%, 1.4人/67.5%, 1.6人/89.2%, 1.8人/97.9%, 2人/99.9%
男系(遠縁の上限なし)のとき
次に、遠縁の皇族を大勢抱え、ときどき遠縁の天皇に切り替わってもよいケースを考えました。最大皇族夫婦数を10に増やし、遠縁の上限をなくしたうえで(30に設定)、「子の数」2~4人、「開始皇族夫婦数」1又は5のときの成功率のグラフです。開始皇族夫婦5の場合、子供が2.5人でも90%近い成功率です。このケースではそれほど多産でなくても男系を維持できると言えます。この場合は開始皇族夫婦数が多いほうが成功率が高くなります。
数値データ(悠仁様1人):子供2人/3.5%, 2.5人/38.5%, 3人/64.8%, 3.5人/74.6%, 4人/81.8%
数値データ(旧皇族含む5人):子供2人/16.0%, 2.5人/88.3%, 3人/99.4%, 3.5人/99.9%, 4人/100.0%
まとめ
上記の結果を見ると、安定して皇位を継承するには次のいずれかが必要になります。
A. 皇族の方々が4人以上子供を産む
B. 女系天皇を許容する
C. 大勢の皇族を抱え、遠縁の天皇も許容する
いずれも困難がともないますが、憲法の定義するところでは天皇は日本に必要な存在です。なんとか継承してほしいものです。